2013年5月 9日 (木)

露出補正

先日の山でのキビタキ君より。山に行くとあたりは木々に覆われてはいるのですが、実際には太陽は燦燦で、ちょっと風が吹くと枝葉の間から漏れる木漏れ日の状況が一瞬にして変化し、露出がたいへん難しいですね。数連写の一連のカットだけでも露出状況が大きく変化している場合が多々あります。
掲載のカットは撮影時にプラス1.0の露出補正をしていますが、現像時にはさらにプラス側に0.5ほど補正しました。撮影の現場で1.0以上の思い切ったプラス補正をするのって結構勇気が要りますね。躊躇なく思い切った露出補正を一発で決めるには何十年と言う経験の積み重ねが必要だと思いますが、そういう意味では僕なんかまだまだ経験が足りませんので、どうしてもやや控えめになってしまいます。

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2011年12月 6日 (火)

ライブビューでの撮影

この日の日没時刻は午後4時45分。掲載のカットの撮影時刻は午後5時1分。肉眼ではオシドリがよく見えない状態で、サンニッパでもSSはISO800で1/10しか出ていません。掲載のカットはじっとしているオシドリのように見えますが、実際は終始羽繕いをしていたので、普通に撮っては全部ぶれます。デジスコだと超スローシャッターでも撮れるとか言われますが、しきりに羽繕いする動きのあるシーンには全く不向きです。

ミラーショックを廃除するためにライブビューモードで撮りますが(ニコンのD7000はミラーアップ状態でミラーの上下なく連写ができるニコン初のデジタル一眼です)、ライブビューファインダーで羽繕いと羽繕いの間隙をぬってじっとしている瞬間にレリーズを試みても、実際に写るのは羽繕い中のぶれぶれのカットばかりになります。これはライブビューファインダーに映し出される映像が実際と大きくワンテンポ遅れているためで、D7000に限らず、ライブビューファインダーを持った他のカメラでも多かれ少なかれ同じことが起こります。

こういう時の撮影のコツはファインダーを見ないことです。まずライブビューファインダーで鳥がじっとしているときにしっかりと鳥の目にピントを確保しておきます。そのうえでファインダーではなく双眼鏡で鳥を見ます。右手にはレリーズケーブル。双眼鏡で鳥の動きをじっと見て、羽繕いをやめて前を向いた瞬間にシャッターを切ります。シャッターが切れる瞬間はライブビューファインダー上ではまだ羽繕い中のはずです。そしてライブビューファインダーで鳥が前を向いてじっとしているように見える僅かな瞬間には、実際は次の羽繕いを始めているので、この段階でシャッターを切っても手遅れです。

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因みに、デジタル一眼レフですからライブビューモードでミラーアップしたまま撮影しても、シャッターショックは残ります。ミラーショックやシャッターショックの影響を最も受けやすいSS領域はSS1/20~1/30付近の領域でこのあたりのシャッタースピードになるときには細心の注意が必要です。逆にSS1/2とか1秒とか2秒とかのマゾ的なシャッタースピードになるとかえってシャッターショックの影響は画像には出にくくなります。なぜそうなるかは自分で考えてみてください。ヒントは‘シャッターショックの影響時間<露光時間、長時間露光によるピントの芯’です。ここまでのスローシャッターになるとデジスコの画像をデジ一が再度逆転します。

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2010年8月 2日 (月)

ノゴマ

ワンポイントの赤い喉元を震わせながらとても目立つ大きな声で囀るノゴマ。ソングポストは全て自然のお立ち台。都市公園で人工のお立ち台に立つノゴマは、いわば生け花の世界。生け花もひとつの芸術なので極めれば独自の世界を描写できるのかもしれないが、その描写の外にはいつも目に見えない殻、枠のようなものがあって、その殻、枠はどこまで行っても突き破ることはできないように思う。

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2007年10月15日 (月)

エノコログサの前で

このエノコログサの前で1時間ほど粘りました。右側の縦にのびたしっかりした茎の草。ここにノビタキが横を向いてつかまり留まりしてくれるはずだったんですが・・・。カメラを設置した場所から私が少し離れたときに1回留まりました。抜き足差し足でカメラの方に戻ろうとしたら飛びました。本当は朝の時間帯の太陽が向こう側にある逆光がいいんです。今朝も同じ場所でと思いましたが、案の定寝過ごしました。
私の撮影スタイルのひとコマということで。秋のノビタキ撮り。あと1週間ほどは続きます。

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2007年9月27日 (木)

昨晩の月

9月といえばお月見。昨晩の月はほぼ満月。今年の“中秋”は9月25日だったのですが、中秋=満月では必ずしもありません。本日9月27日は“ほぼ”ではなくて本当に“満月”です。お天気は? なんか朝からちょっと曇ってますね。

Vixen FL70S+Nikon TC-14B+EOS-Nikonマウントコンバーター+EOS 40Dを使ってライブビューでの直焦撮影。35ミリ換算焦点距離1254mm。合成F値はF11.2です。トリミング有り。
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左下部をトリミングでさらにアップに。元カットは1枚目とは違います。
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2007年9月14日 (金)

ニコンのライブビュー

ニコンのライブビューはキャノンに比べていまいちのようですね。ライブビュー撮影はボディー正面から見て右上のドライブモード選択ダイヤルでライブビューモードに設定する(ミラーアップなんかに設定するのと同じやり方)ので、当然、ドライブモードは連写モードにならず、連写ができません。
また、通常使うと思われる三脚使用モードでのライブビュー撮影の手順はミラーアップしてAF-ONボタンを押してコントラスト検出AFでピント合わせしたのち、レリーズするとミラーが一旦おりて、そのあと通常撮影と同じようにミラーアップ→シャッター膜動作→ミラーダウンとなります。これはオリンパスなんかのライブビューと同じ動きで、レリーズしてから一旦ミラーダウンする分、タイムラグも大きくなると思われます。また、ミラーダウン後の動きは普通の撮影と変わらないので、ミラーショックもあります。
ということでニコンのライブビューは野鳥撮影では使い物にならないというのが私の結論です。ライブビューに関しては完全にキャノンのほうが良いようです。ご参考までに。

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2007年9月 5日 (水)

ライブビューでの撮影その2

先日掲載したライブビューでの撮影の記事。たいした写真じゃなかったのですが、ライブビューには皆さん大変ご興味があるようで、この記事の閲覧者数が非常に多いです。
だからということでもないのですが、興味ある人には興味あると思われる「デジ眼スコ」でのライブビューテストをやってみました。本当はフィールドでのテストをしたかったのですが、時間がなく自宅の窓辺からのテストです。
なお、以前別の掲示板でも書きましたが、スコープとカメラを組み合わせた撮影では、「合成焦点距離÷対物レンズ口径=合成F値」という公式が支配します。デジ眼でもなんとか焦点距離を稼ぎたいという気持ちはわかりますが、そのためにスコープと組み合わせたデジ眼スコにしてしまうと合成焦点距離が大きくなります。ここでいう合成焦点距離はいわゆる35ミリ換算の焦点距離ではなくレンズの実焦点距離に基づく合成焦点距離になるため、もともと搭載レンズの実焦点距離が非常に短いコンデジに比べてデジタル一眼の場合は遥かに大きな合成焦点距離になってしまいます。必然的に上記公式から得られる合成F値も大きくなり、暗いシステムになります。上記公式を逃れられない限りデジ眼では普通に一眼用レンズを用いて撮影するほうがよいのです。

前置きはさておき、今回のテストで使ったシステムは次のとおり。
スコープ:KOWA TSN-4N(77ミリ口径のフローライト・クリスタル)
接眼レンズ:KOWA VA2(アイレリーフ100mmでTSN-4N装着時は12倍)
一眼用レンズ:Nikon 50mm/F1.4D
カメラ:Canon EOS 40D
合成焦点距離:600mm
35ミリ換算焦点距離:960mm
合成F値:F7.79

システムの接続にはKOWAのユニバーサルマウントシステムを用い、スコープの三脚座とカメラの三脚穴をつないで振動をできるだけ防ぐようにしています。
被写体は自宅の窓から斜め隣の家のまだ熟していない木の実(クロガネモチかな?)を撮ったもの。ライブビューで10倍拡大してピント合わせをした部分を中心に800×533ピクセル分を等倍切り出しした画像です。RAW+JPEGで撮りましたが掲載サンプルはJPEGのもの。
画像を見てデジ眼スコが使えるか否かは皆さんのご判断にお任せします。

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そろそろ隣の家の柿の木にコムクドリがやってきてもおかしくない時期なのですが、いまのところまだ来ません。

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2007年9月 1日 (土)

ライブビューでの撮影

夕刻6時半頃の京都の田圃。休耕田のやや遠いところにタカブシギが一羽。だんだんと日が短くなってきて、6時半だとシャッタースピードは1/50秒までしかあがらない。
撮影モードをライブビューモードに。カチッと音がしてミラーが上がり、メイン液晶画面にライブ映像が見えるようになる。拡大ボタンでタカブシギを10倍に拡大し、ピントリングでマニュアルでフォーカスを合わせる。車の中からなので不用意に体を動かすと車全体が揺れて液晶画面の像が揺れる。静かに慎重にフォーカスを合わせて、ミラーアップのままレリーズ。ミラーアップでも像が消失せず、低速シャッターでのミラーショックも抑えれるという一石二鳥はありがたい。

ノートリ画像
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10倍拡大時、液晶画面はおおよそこんな感じに見える。
撮影だけではなく観察にもうってつけだ。
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2007年4月24日 (火)

露出に関する覚書

露出に関してのご質問をいただいたので、自分自身の頭の整理も兼ねて露出に関する覚書を。決して解説やアドバイスではなく、あくまでも私自身の頭の整理のための覚書です。わかりきっている方はさらっと読みとばしてください。また、不正確な表現があるかもしれませんが、あくまでも私自身の覚書なのでその点はご容赦いただければ幸いです。
写真の三大要素はピント、露出、構図といわれる。このうち露出は光のコントロールであり、同時に色のコントロールでもある。抽象的にはわかっていることだが、光と色の関係を突き詰めて考えてみるのは頭の整理によいと思う。「光のコントロール」ということだが、ここでいう光とはどの光だろうか。光にそんなにいろいろと種類があるのか、と突っ込まれそうだが、端的にいうなら直射光か反射光かということ。露出を決めるのは直射光の状態がどうなのかであって、被写体が「暗い」か「明るい」かといった感覚的な見た目の明るさは反射光によるもの。直射光の絶対的な光の量は曇天時は曇天時なりに、晴天時は晴天時なりに、その時その時で一定だが反射光は物体によってまちまちとなる。
露出を決めるには直射光の状態を見極めることになるが、見極めかたの手法の一つとして反射光を使って間接的に直射光の状態を見極めようとするから話がややこしくなる。
光のコントロールは同時に色のコントロールと書いたが、そもそも光には様々な色が混ざっている。物体に光が当たると、光の中のある色は吸収され、ある色は反射される。黒く見える物体は光の中の全部の色を吸収するので黒く見え、白く見える物体は光の中の全部の色を反射するから白く見える。赤く見える物体は光線の中の赤い光を反射し、その他の色の光を吸収するから赤く見える。以前はよく海に潜って水中写真を撮っていたが、海のなかは水で満たされており、水は光の中の赤い光線を吸収する性質がある。深く潜れば潜るほど太陽光が通過する水の層は厚くなり、赤い光は何かの物体に到達するまでにどんどん水に吸収される。赤い色の珊瑚(赤い光を反射する性質をもった物体)に光が到達したときには太陽光の中の赤い光の多くが水に吸収されてしまっており、赤い光を反射する珊瑚に太陽光の赤い光がほとんど届かなくなる。赤い珊瑚は赤以外の光を吸収するので結果的に反射すべき赤い光が陸上よりはぐっと減り、黒ずんだ色にしか見えない。海の中の見た目の明るさそのものは十分明るく見えても特定の波長の光が水に吸収されてしまっているため、正しい色再現をするには人工光で光を補う必要がある。このため、水中写真ではストロボが必須となる。
露出を決めるときに知りたいのは直射光の状態がどうなのかということなのだが、カメラ内蔵の反射式露出計の場合は反射光を使って直射光の状態を推し量るということになるので、物体ごとにどんな色の光を反射し、どんな色の光を吸収しているかで全体としてその物体の反射率はこれだけだから逆算すると直射光はこの程度で、反射光で測光した場合は実際の直射光の状態にあった露出に引き戻すにはこれだけの補正が必要、というややこしい話となる。
さてさて、どの程度頭の整理ができただろうか。

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2006年3月 7日 (火)

野鳥撮影とスポット測光

難しい話をするつもりはないですが、今日は野鳥撮影時のスポット測光についてちょっとだけ書いてみます。
スポット測光は評価測光や中央部重点測光とは本質的に違います。評価測光や中央部重点測光は多かれ少なかれ、カメラの内蔵プログラムで露出を計算するというもので、メーカーごとのプログラムの違いで結果がかなりばらつくが、スポット測光というのは言ってみればカメラ内蔵の純粋な露出計みたいなものなので、光を計る「道具」にすぎません。単にスポット測光ポイントの光の状況を計る道具なので、使い方をよく分かっていないと全然意図した結果になりません。
やっかいなことにメーカーのサイトが誤解をあたえるような説明をしています。
以下に引用するのはパナソニックのサイトにあった撮影テクニックの説明の一つです。スポット測光について説明しています。

『露出オートで撮る場合、測光方式は「スポット測光」に設定しましょう。通常の「評価測光」は、画面全体の明るさから適正露出を計るため、小さな鳥を撮るときなどに肝心の鳥が明るく(または暗く)なりすぎてしまうこともあります。
「スポット測光」は、画面中央に表示されるスポット測光ターゲット上の被写体から露出を決めるため、狙った鳥に最適な露出で撮影できます。』

上記のパナソニックサイトの説明で、スポット測光なら狙った鳥に最適な露出で撮影できると書いてあるのはスポット測光について読者に大きな誤解をあたえます。おそらく筆者がスポット測光を理解していないわけではなく、行間をはしょった説明になっているため、上記の説明だとスポット測光では少なくとも測光ポイントだけはいつも適正露出が得られるような誤った印象をあたえる結果となっています。
スポット測光によるカメラ内蔵の露出計は、あくまでも反射率が18%の被写体をスポット測光した場合にだけ、「露出補正なしに」適正露出になるように設計されているので、測光ポイントの反射率が変われば露出補正なしに適正露出になることはありません。よく例に出されるように、雪のハイライト部分は反射率が極めて高いので、このハイライト部分をスポット測光すればカメラ内蔵露出計は明るすぎると勝手に判断して絞り優先オートの場合、シャッタースピードを速くしてしまいます。結果として、露出補正しないとかなりアンダーになってしまいます。

ここからが本題。野鳥撮影の場合、被写体の野鳥の色は様々なので、野鳥そのものをスポット測光すると野鳥の色(野鳥のどの部分を測光するかによっても色が異なる)によって反射率はまちまちで、どれだけの補正が必要かなんてなかなか判断つきません。
幸いなことに野鳥撮影の場合、たいていは構図の中に何かしら緑の葉っぱなどが入っていることが多いです。透過光で透けた葉っぱなどは例外ですが、そうでない場合、順光の光を受けた緑の葉っぱは、これをスポット測光すると「露出補正なしで」適正露出になります。
緑の葉っぱなどでスポット測光したのち、その露出値(絞りとシャッタースピード)でマニュアル露出にするのは手間がかかって、その間に野鳥が逃げてしまうおそれがあるので、緑の部分を測光したらすかさずAEロックボタンを押します。その際、AEロックはボタンをワンプッシュすると以後ボタンを押し続けなくとも露出が固定され、シャッタレリーズでリセットされる(AEロックが解除される)ように設定しておきます。AEロックボタンが同時にAFロックも兼ねている場合は、設定でボタンの機能をAEロックだけに変えておきます。
こうすると結構機動的に野鳥撮影でスポット測光が使えます。枝止まりの野鳥を見つけたらファインダー内の緑の部分にスポット測候枠を向けてすかさずAEロックボタンをワンプッシュし、AF枠を野鳥に向けてフォーカスを合わせてシャッターを切る。一見めんどくさそうですがやってみれば意外と簡単です。

ついでに言うなら、デジスコ撮影では中央部重点測光で露出補正はマイナス0.7補正がよいとよく言われていますが、この方法だと大きく露出をはずすおそれがあります。
ファインダー枠の中央部が反射率の比較的高い色で占められている場合、カメラは明るすぎると判断してシャッタースピードを必要以上に速くしてしまいます。このままだとアンダーになるのに、さらにマイナス0.7補正するわけですから結果は超アンダーになってしまいます。マイナス0.7補正するのはコンデジに使われる小さな撮像素子のラチチュードが狭いことを考慮したもので、その考え方自体は間違っていませんが、ファインダーの中央部の色分布(言い換えればファインダーの中央部の平均的な光の反射率)を考慮せずにいつも中央部で測光という撮りかたが間違っているのです。

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