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2023年4月13日 (木)

春のセッカ


春のノビタキを探しに行ったときに撮影したセッカ。
毎年、このフィールドに出向いたときは、ノビタキが見つからなくてもセッカにだけは比較的愛想よくお相手してもらえるのですが、今回は出向くのがほんの少しだけ早くてセッカの活性がまだ低かったのと、週末のうち1日目の土曜日は風が非常に強かったのとで、あまりぱっとした写真は撮れませんでした。

 

 

カラシナにとまる豆粒セッカ君。春の換羽後、まだ尾羽が十分に伸びていない個体です。

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以下は、河川の両岸に群生するカラシナ。
頭出しがまだ中途半端なので前かぶりになることが多いです。あと1週間ほど経過するとセッカの活性が増して状況ががらりと変わると思うのですが。

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こちらは背景も柔らかな黄色いボケですが、残念ながらセッカのとまった株の花だけが枯れていました。

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河川の両岸はカラシナが群生していますが、河川の中央は葦が群生していて、今の時期は枯葦になっています。こういった枯れた葦には頻繁にとまります。

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カラシナの先端まで頭出しせずに茎の下の方に潜り込んだ状態でとまっていたので、とまった状態を撮ることはあきらめて飛び出しのタイミングを狙いました。開いた翼の形がいまいちでしたが。

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これからセッカは本格的な繁殖のシーズンを迎えますが、私は繁殖期のセッカは、基本的に雄以外は撮影しません。例外は雛の巣立ち後、雛が自由に動き回れるようになった時点で巣外での給餌シーンに偶然に出くわした時ぐらいでしょうか。でもそういうシーンに「偶然」出くわすことってそんなに多くはありませんね。多くの場合は、巣立ち前から巣の近くにへばりついているような人によって、巣立ち直後の給餌シーンが撮られているケースがほとんどです。

一夫多妻のセッカでは抱卵や育雛に関わるのは母鳥のみで、雛にとっては母鳥だけがは唯一命をつないでくれる存在です。母鳥がスムーズに巣に入れなければ雛は餌がもらえないだけではなく、ふ化後間もない雛は羽毛がまだ生えそろっていないため、巣に戻ってきた母鳥に体を温めてもらわなければ命の危機に直ちに遭遇することになります。ノビタキなどのように雌雄が揃って子育てに協力する鳥とは全く状況が異なることを理解すべきです。

時々、育雛のために虫をくわえたセッカの雌が草の茎などにとまっているシーンの写真を子育てに忙しくするセッカのほほえましいシーンとしてアップしているような方がいますが、母鳥に対しても雛に対しても虐待以外の何ものでもありませんし、そのようなシーンを得意げにSNS等にアップしているカメラマンは全くリスペクトすることはできません。

セッカの雄は次々と巣を作ってメスを巣に誘い入れるだけで、抱卵や育雛には一切かかわりませんので、セッカを撮るなら雄をいろいろな情景の中で撮影してあげてください。

 

 

 

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