DSA-N1の仕様
Nikon 1専用デジスコーピングアダプターDSA-N1の仕様を実機で確認したのでプチ機材ネタを。製品紹介サイトは下記のとおり。
http://www.nikonvision.co.jp/products/fsystem/dsa_n1.htm
この製品はマウント側がCXマウント、レンズ側がニコンのフィールドスコープ用接眼レンズに直接取り付け可能なカプラー形状となっている製品で、鏡筒内には18mmの単焦点レンズが収納されています。AF機構や絞り機構は一切搭載されておらず、Nikon1で絞り優先オートを使用可能とするためにマウントにはダミーの電子チップが搭載されています。通常使用ではスコープに装着して使用する前提となっているためDSA-N1自体には手動でのピント合わせ機構も搭載されておらず、ピント合せはあくまでもスコープのピントリングで行います。今回は手軽に動作確認するためにデジタンZ6を使いました。
V1に装着した際、MFモードではピント位置の拡大表示ができます。それに加えて、CXマウントレンズ単体では動作しないフォーカスエイドが作動します。動きとしてはNikon1にFT1経由でAF-S非対応のCPUレンズを装着したのと同じ動作です。
AF機構を一切備えていないので、フォーカスモードはMFのみとなりそうですが、一応選択メニューとしてはAF-SとMFとが出てきます。フォーカスモードをAF-Sにしても、AF機構がないのでマニュアルフォーカスでのピント合わせとなりますが、AF confirm chipをFT1に装着したときと同じように、シャッターボタンを半押ししながらピント合せをした場合にAF-Sモードにしておけば合焦時に合焦音が鳴るのではと期待しましたが、結果はNGでした。
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上記の記載は私の早とちりで、AF-Sは実際にはグレー表示で選択できません。お詫びして訂正させていただきます(2012.12.11)。
ニコンFマウントレンズを持っている方にとってはこの製品の電子チップの機能はFT1以上のものではなく、新たな使い道は特に見出せないようです。ニコンFマウントレンズよりフランジバックの短いレンズをNikon1に装着して撮影したいと思う方にとっては、この製品に搭載のダミーの電子チップをサードパーティ製の各種マウント変換アダプタに移植すればAEとフォーカスエイドが使えるようになるので意味はあると思います。
以上、極めてプチなプチ機材ネタでした。
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コメント
探検隊隊長さん,こんばんは.
今日発売のようですから最速レビューですね.
DSA-N1でAF-Sモードが選択出来ること自体謎というかバグのようなものだと思いますが,合焦時に合焦音が鳴らないだけでAFエリアは点灯するのでしょうか? 点灯するだけでもMモードのフォーカスエイドよりは便利に使えそうですから,マウントアダプター用の電子接点として買う価値は十分ですね.
V1のエレクトロニック(Hi)はレリーズタイムラグが大き過ぎて結局使いませんでしたらPモードは不要ですし,V2ならMモードで高速連写出来ますから,FT1を改造するよりずっと簡単にEFマウントアダプターが作れそうです.
ところで,DSA-N1の製品紹介ページにはレンズ構成等は全く書いてありません.付属の取説には何か書いてありますか? 価格なりに3群5枚ぐらいと予想していますが,いかがでしょう?
投稿: m125 | 2012年11月22日 (木) 22時01分
m125さん、こんばんは。
AFエリアは点灯しません。
今回確認したのは店頭で鍵のかかったショーケースに入ってるのを出してもらっての確認ですので取説の中身までは見れてないんですよ。店員さんが横にべったりついてたんで、あまり時間をかけるわけにもゆかなくて。
合焦音が鳴るようであれば購入も考えたのですがFT1を使うのと変わらないんで見送ってしまいました。
V2の連写はものすごく快適になりましたね。連写を小刻みに繰り返すとき、ほとんど間をあけることなく次の連写に入れますね。
AF追従が秒10コマから秒15コマになりましたが、これって全ての露出モードが秒5コマ連写時だけでなく秒60コマ連写でも使用可能になったことに比べればどうでもいい程度の進化ですよね。とにかくフル画素フルモードで秒60コマ連写できるというのはすごいことだと思います。
投稿: 探検隊隊長 | 2012年11月22日 (木) 23時06分
探検隊隊長さん,こんばんは.
楽観的に考えて早速購入してみました.
フォーカスモードはFT1単体を繋いだときと同様でAF-SとMが表示されますが,選択出来るのはMだけでしたよ.未発表だったレンズのF値は,露出から判断するとF2.8ぐらいのようですね.しかし,レンズ構成については取説にも全く書いてありませんでした.
ところで,私にとって肝心な電子接点の方はとんだ誤算でがっかりです.AF confirm chipの類いと違い,電子接点はフラットケーブルで鏡筒内部の基板に繋がっていて,それを取り出すには接眼レンズ側から止めネジをカニ目レンチで外す必要があるのですが,止めネジが固く締まっていて全く外れません.ゆるみ止めで接着してあるのかもしれませんね.とにかくドライヤーで加熱してレンチで回すぐらいではびくともしませんでした.
投稿: m125 | 2012年11月24日 (土) 18時33分
m125さん、こんにちは。
あれ~。そうでしたか。AF-Sがグレー表示になってるの、しっかり確認せずにOKボタン押してAF-Sになってるものと思い込んでたみたいですね。見混乱させてすみませんでした。AF-Sが有効だったら合焦音も合焦マークの緑点灯も出たんでしょうね。そういう仕様にしてくれるとありがたいんですがねぇ。
電子接点は内部基盤と接続されてたのですね。内部基盤ごと回収となるとちょっとハードルが高くなりますが、m125さんにとってはレンズさえ外れればそんなにハードル高くないんでしょうね。レンズがそんなに硬いんですか。修理対応とかのことを考えると接着してしまうということは普通はしないないようにも思いますが、修理対応とかはあまり考えてないんですかね。
投稿: 探検隊隊長 | 2012年11月25日 (日) 16時55分
探検隊隊長さん,またまたこんばんは.
DSA-N1の分解,ようやく出来ましたよ.接眼レンズ側のネジ(というかレンズ鏡筒本体)はやはりゆるみ止めで接着してあって,溶剤を使えば拍子抜けするぐらい簡単に外れました.しかし,開けてびっくり玉手箱,なんと内部に収容されている基板はFT1に使用されているものと同じで,プログラムし直しただけ(F値と焦点距離の固定の他,絞り連動レバー用マイクロセンサーの接続解除)のようです.結局,DSA-N1は私にとっては特にメリットなしという結論になりました.
溶剤を使うことに気づくまでにアダプター内部を傷だらけにしてしまったので,レンズもついでバラしてレンズ構成を調べてみましたが,価格から想像出来る以上にしっかり作ってあるようで,5群6枚でした.単焦点レンズでは少し珍しいことに,第1群が貼り合わせになっています.もしかしたら他のNikon1レンズと同様に非球面レンズも1枚ぐらいあるかもしれません.ズームレンズでは第1群に貼り合わせレンズが使用されることもよくありますが,単焦点レンズではニコンもキヤノンも2本だけ(たぶん)です.ニコンの2本はどちらもマイクロニッコール(200/4DとDX40/2.8G)ですから,DSA-N1のレンズも解像力重視の設計なのかもしれませんね.
投稿: m125 | 2012年11月27日 (火) 18時09分
m125さん、こんばんは。
DSA-N1の内部基盤がFT1の内部基盤と同じだとは意外でした。FT1の場合はその先につながったマスターレンズの基盤から焦点距離情報やF値情報を受けてカメラに伝えていると思いますが、FT1自体の内部基盤も焦点距離情報やF値情報を持ちうるということなんですね。
FT1自体を分解したことがないのでよくわかりませんが、DSA-N1の内部基盤は絞り連動レバーにつながっていない分、余計なパーツを収納するスペースが不要となりEFマウントアダプター用として利用する場合に有利にはならないのでしょうか。
投稿: 探検隊隊長 | 2012年11月27日 (火) 23時13分
FT1でも基板以外に小さな部品を残しておくだけでエラーなしに起動出来ますから,FT1単体をカメラにつけたときと同じ機能を再現するのに必要な部品はすべて市販のマウントアダプター内部に収容出来ますよ.DSA-N1の基板の利点はフォーカスエイドが使えることですから,これが必要な人にはDSA-N1の方が便利でしょうね.
私が以前作ったアダプターではV1のエレクトロニック(Hi)に必要なPモードを使えるようにするために絞り連動レバー駆動用のギアボックスやAF confirm chip付きのFマウント電子接点まで残さざるを得なかったので,すべての部品を収容するボックスをアダプターの外につけなければならず不細工になってしまいました.ま,しかし,V1のエレクトロニック(Hi)は使い難過ぎてほとんど使いませんでしたから,結局この自作アダプターの利点はAF-Sが有効に出来て合焦音を鳴らせることぐらいでしたね.
投稿: m125 | 2012年11月28日 (水) 00時11分
実際にDSA-N1の「電子接点」そのものに興味を示す人はそれほど多くはいないと思いますが、以前、こちらのブログに質問を下さった方は少なくとも興味があると思います。ただ、要望はCマウントのようですから基盤の収納スペースが確保できるのかは??ですね。Cマウントだとほとんど余裕がないような気が。
猛禽シーズンになったので、ちょっと前にAF confirm chip付テレコン持って葦原に出かけましたが、合焦判定がかなり甘く、特に鳥までの距離がかなりある場合は背景でも合焦音がなってしまう場合があってなかなか使えませんでした。
投稿: 探検隊隊長 | 2012年11月28日 (水) 09時53分
Cマウントアダプターはバヨネットの内側に1インチ径のネジ穴があいているだけですから,DSA-N1の電子接点を取り付けること自体難易度が高いでしょうね.取り付けるためにはCマウントネジ穴を一部削り広げる必要があるでしょうし,電子接点ブロック(樹脂製)をマウント径の半径方向に少し削らないとレンズ側マウントの雄ネジが入らないかもしれません.また,電子接点ブロックの前後の厚み(突起部込みで約6.2mm)が支障になって,レンズを最後までねじ込むことが出来ないかもしれません(Cマウント雄ネジは長さ4mm程).現物合わせでやってみないと正確なことは言えませんが,難しそうなことは想像出来ますね.しかし,電子接点さえ上手く取り付けられれば,あとの加工は楽だと思います.基板は3枚からなりフラットケーブルで繋がっていて畳むと長さは3.5cmほどしかありませんから,薄い箱に入れてカメラの下側につけておけばよいと思います.電子接点と基板を繋ぐケーブルは結構長いので取り回しは楽です.
AF-Sは野鳥の飛翔撮影で使うには距離に関係なく難しいですが,MF撮影の基準になる位置に楽にピントを合わせるという目的には重宝していました.飛翔中のAF-Sはテストで試しただけですが,合焦するまでの間かなりじれったい思いをしますね.一眼レフなら中央1点でポンと一押しするだけで簡単にピントが合う条件(空抜けで近過ぎず遠過ぎず,余裕を持って正確に追いかけられる被写体)でも結構苦労しているように感じます.探検隊隊長さんが試されている条件はずっと厳しそうですから,合わなくても無理はないように思います.
投稿: m125 | 2012年11月28日 (水) 18時43分
m125さん、コメントありがとうございます。
当のご本人がご覧になっているかどうかわかりませんが、参考になると思います。フラットケーブルの長さがある程度あるのは救いですね。
飛翔撮影なんですが、僕もV2で撮るとすればAF-SでのAFは一気にレンズを射程範囲まで駆動させる目的で使うと思います。FT1使用時のAF性能そのものはV2になってもほとんど変わってないと思いますから。V1の場合だと一気に射程範囲までレンズを駆動させる目的でAFモードにして、実際の撮影はMFで最終ピント合わせしていても、数連写したあと、次の連写に入る前にシャッターボタンから完全に指を離さなくてはならず、次にシャッターボタンに触れるとまたAF駆動してしまうという問題がありました。かといって完全MFではレンズのピント位置が突然現れた鳥までの距離と大きくずれているときにファインダーで鳥の輪郭が分かるくらいまでピントリング回すだけでもひと苦労ですよね。ポストビューOFFで半押し保持のまま次の連写に入れるようになっただけで使い勝手は格段に向上するだろうと思います。
レンズのメモリーリコール機能が殺されていなければもっといいのですが。この点だけでも何とか改善して欲しいです。記憶している距離を呼び戻すだけなのでAF精度とかとは関係ないからなぜ使えないのか不思議です。
投稿: 探検隊隊長 | 2012年11月28日 (水) 19時21分