つい一週間ほど前に、パナソニックの新しいマイクロフォーサーズ機のDMC-G5が海外に続いて国内で正式発表されました。発売は9月13日とのことです。
私は、マイクロフォーサーズ機に関しては、最初に出たG1を持っていますが、その後、いろいろな機種が登場し、EVF搭載の有無や、液晶モニターの仕様等、今では性格の違ういくつかのバリエーションが混在している状況です。
いろんな機種が次々と登場する中で、高感度ノイズ耐性や連写能力など、初期のG1から確実に進歩を遂げてきていますが、いろんなタイプが次々に出てきたため、逆に混沌とした状況で、何が一番ベストな選択なのかという点が見えにくくなってきているようにも思えます。オリンパスはパナのセンサーと決別し、ソニーのセンサーを取り入れたOM-D E-M5をリリースし、かなり成功しているようです。
そんな中、今回発表されたG5は今までの機種とはちょっと違った大きな特徴があります。それは、この機種がフル画素のまま電子シャッターでの撮影が可能であるという点です。製品発表がされ、仕様表が公開されても、この点は結構見落としがちでわかりにくい部分なので、気づいていない方もかなりいるようです。
G5はこれまでの機種と同様、超高速連写モード(SHモード)を備えており、SHでは秒20コマ連写が可能となりますが、このときのシャッターは電子シャッターで、撮影画素数は400万画素に制限されます。
しかし、このSHモードだけでなく通常撮影時においてもG5はメニュー内の設定で電子シャッターを有効にすることによって1600万画素のフル画素で電子シャッターが使えます。
マイクロフォーサーズ機はミラーレスなのでミラーショックはもともとありませんが、フォーカルプレーンシャッターによるシャッターショックについては意外と影響が大きいことが早くから指摘されていました。ニコンのV1などでは電子シャッターとメカニカルシャッターでシャッターショックの有無による影響の差がほとんど出ないのですが、カメラ本体の質量の違いやフォーカルプレーンシャッターの大きさの違いからか、マイクロフォーサーズ機ではシャッターショックの影響による微妙なブレは見過ごすことのできない存在でした。
今回、G5に至って、画素数の制限なく電子シャッターが使えるようになったことは、野鳥の撮影をするうえでは非常に大きな変更点と言えます。
G5ではグローバル露光の技術はまだ取り入れられておらず、近い将来発表されるであろうGH3でもグローバル露光はどうやら見送られるようですから、電子シャッターでの撮影において、動体撮影時の歪みの問題は依然として残りますが、カメラを大きく振る撮影や高速で飛翔する野鳥の撮影以外の場面では電子シャッターの存在はとても大きなメリットになると思われます。とりわけ、G5などの機種においてはニコンのV1などと違って電子レリーズケーブルがオプションで用意されていますので、無振動撮影はかなり強力な武器になるはずです。
G5での連写についてまとめると、次のようになります。なお、電子シャッター時の連写モードの設定についてはパナソニックのサイトを見ても明確ではなく、取扱説明書もダウンロード可能になっていませんので、サポートセンターに直接問い合わせで確認しています。
メカニカルシャッター時
H(高速) 6コマ/秒 M(中速)3.7コマ/秒 L(低速) 2コマ/秒
いずれも1600万画素での撮影可能。H時はライブビュー無しで連写中はファインダーがブラックアウト。M、L時はライブビューを継続しての連写が可能。
電子シャッター時
SH(超高速) 20コマ/秒 H(高速) 6コマ/秒 M(中速)3.7コマ/秒 L(低速) 2コマ/秒
SH時は400万画素に制限、H、M、L時は1600万画素での撮影可能。
なお、DMC-G5の高感度ノイズ耐性については、センサーそのものが従来機と大きく進化したわけではないので、GH2などの高感度ノイズ耐性と同程度ではないかと思われます。
GH3ではセンサーそのものに大きな変更があるようですから電子シャッターが使えるようになったGH3が本命となるでしょう。しかしG5が現時点でダークホース的存在として注目に値することは間違いないと思います。
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