2011年9月27日 (火)
2011年9月26日 (月)
2011年9月22日 (木)
Nikon 1(V1)仕様あれこれ
昨日発表されたばかりで実機もないですが、取説をながめて確認した仕様についてつらつらと思いつくまま書きます。最近のニコンは製品発表と同時に発売前から使用説明書がPDFでダウンロードできるのがいいですね。発売前の購入検討に大変役に立ちます。
(全般)
Nikon 1は総じて言うとCoolpix以上、一眼以下という感じは否めません。仕様を細かに見てゆけばゆくほどそう感じます。コンデジのCoolpixに比べると設定項目等は比べ物にならないくらい豊富ですが、普通に一眼を使っていると省略されている部分が非常に多く、使い勝手において相当に差が感じられると思います。
(操作性)
Nikon 1の特徴のひとつに、いろんな機能の設定を背面の‘ロータリーマルチセレクター’に集約させているということが挙げられますが、このため、操作性はかなりめんどう、使いづらい、と言うことになるかと思います。
(電子シャッターでの高速連写モード)
Nikon 1V1にはシャッターモードとして‘メカニカル’、‘エレクトロニック’、‘エレクトロニック(Hi)’の3つのモードがあります。メカニカルはフォーカルプレーンによる機械式シャッターで他の二つのモードが電子シャッター。メカニカルもしくはエレクトロニックでは最高5コマ/秒の連写で、高速連写モードであるエレクトロニック(Hi)にしたときに10コマ/秒、30コマ/秒、60コマ/秒の高速連写が可能となります。60コマ/秒でもフル画素での撮影ができることはかなり画期的です。
エレクトロニック(Hi)モードでの落とし穴は、フォーカスモードが大きく制限されるということではないかと思います。10コマ/秒の場合、フォーカスモードはAF-Aモードに制限されます。30コマ/秒もしくは60コマ/秒の場合、フォーカスモードはAF-Sに制限されます。AF-AモードもAF-Sモードもフォーカスポイントでフォーカスが合っているときしかシャッターが切れない仕様です。ニコンの普通の一眼だと、たとえばAF-Sモードであってもユーザーがフォーカス優先、レリーズ優先を選択でき、レリーズ優先の設定にしておくとたとえフォーカスポイントで合焦していなくともシャッターを切ることができますが、Nikon 1にはこのフォーカス優先、レリーズ優先の設定メニューが用意されていないため、フォーカスポイントで合焦しない限りシャッターは切れない仕様です。注意すべきはエレクトロニック(Hi)モードではフォーカスモードとしてMFも使えないという点です。そもそもNikon 1ではMFモードでのピント合せはピントリングを回してという方法ではなく、先述したロータリーマルチセレクターをぐりぐり回してピント合わせする仕様になっているので、高速連写モードでロータリーマルチセレクターを回しながらピント合わせなんて非現実的なことは最初から想定しなかったのでしょう。
ただ、12月に発売される予定のマウントアダプターFT1をつなげば、普通のFマウントレンズが使えるわけで、その場合でもレンズのピントリングを回してピント合わせしながら、高速連写モードで撮影することができないというのはきわめて残念というほかありません。FT1はまだ取説もダウンロードできないため、その詳細仕様が不明ですが、もしかしたらFT1装着時はエレクトロニック(Hi)モードはそもそも使えない可能性もあるんじゃないかと思います。純正マウントアダプターではなくサードパーティ製のマウントアダプターを介して他社性レンズや天体鏡筒で使うことを想定される人もいるかと思いますが、その場合でも高速連写モードではフォーカスモードとしてAF-AもしくはAF-Sモード以外は使えないので高速連写でのMF撮影はできないということになりそうです。※
※取説を読む限り、レンズ非装着時にレリーズ可とする設定がどこにもないので、サードパーティ製のマウントアダプター経由ではそもそもレリーズ不可となりそうです。
(レリーズケーブルの可能性)
Nikon 1にはオプションで電子レリーズケーブルが用意されていないことは昨日書いたとおりですが、今後用意される可能性はあるのでしょうか。Nikon 1のインターフェイスを見るとUSBポートは備えてますがD7000などで使われる電子レリーズケーブルを差すためのアクセサリーポートはありません。その代わり、外部フラッシュやGPSユニットを接続するためのマルチアクセサリーポートが用意されています。このポートには外部フラッシュのほかにGPSユニットもつながります。可能性としては、このマルチアクセサリーポートへの接続仕様の電子レリーズケーブルが将来発売されてもおかしくはない気がします。ただ、このポートがもともとシャッター基盤と電気的につながっていなければどうしようもありません。
ニコンの古い機種でD70には当初、電子レリーズケーブルを接続するポートがありませんでしたが、その後、ニコンが電子レリーズケーブル接続ポートの増設改造サービスを有償で提供していたことがありましたので、ユーザーの声が多ければ、このような有償改造サービスでの対応という可能性もあるかもしれません。
(過去撮り機能)
Nikon 1には本格的な過去撮り機能は搭載されていないようです。‘スマートフォトセレクターモード’というのがあって、シャッター半押し中は最大で90秒過去に遡って画像を取り込み続ける仕様にはなっていますが、シャッター全押しした際にメモリーに取り込まれるのはカメラが自動で判別したベストショットと、ベストショット以外のベストショット候補4枚の合計5枚だけという仕様であり、カシオのパスト連写機能のような本格的な過去撮り機能が備わっているわけではないです。
(FT1の仕様)
Fマウントレンズを使えるようにするマウントアダプターFT1を使えばAF撮影も可能となりますが、AFが可能なのはレンズ内にモーターを内臓しているレンズのみで、AFカップリング方式のレンズではAF撮影はできません。この仕様はD40などでAF撮影できるレンズの仕様と同じですね。ニコンのレンズ郡でAFカップリング方式ではなくモーター内臓のレンズ郡としてはAF-SとAF-Iのレンズがあり、AF-Sの方は超音波モーターでAF-Iに比べて駆動速度が速く静かという特徴があります。一部のサイトでFT1経由でAFが使えるのはAF-Sレンズのみと書かれているものがありますがD40などでもAF-IレンズはAFが使えますのでAF合焦速度がAF-Sレンズに比べて遅いということはあるにしてもAF-IレンズはFT1経由でAF撮影可能と思います。※
※ニコンのUKサイトにAF-SとAF-Iレンズでオートフォーカス可能とはっきり明記されていました。
(電子シャッターでの露光方式の疑問)
Nikon 1の電子シャッターはグローバル露光ではないだろうと昨日書いたのですが、この点についてはまだ半信半疑です。J1の方はそもそもフォーカルプレーン方式による機械式シャッターが搭載されておらず、電子シャッターのみしか使えないですが、電子シャッターのみのCMOSセンサーでローリング露光による歪みへの配慮をしないまま、動画や高速連写を売り物にするカメラをニコンが本気で製品化するのだろうかという疑問があります。もうひとつはニコンのNikon 1の製品サイト内に掲載されている女性が棍棒を投げているシーンのサンプルイメージで(「製品特徴」→「パフォーマンス」のページにあるイメージサンプルです)、10fpsの高速連写モードで撮影されていますが低速シャッターから来るぶれによる残像と思われる歪みは見られるものの、いわゆるローリング露光の電子シャッター特有の歪みが出ているようには感じなかった点です。もしかして、グローバル露光もしくはそれに近い技術が密かに盛り込まれているのではないかとかんぐってしまいます。
仕様についていろいろ書きましたが、結論として、このカメラはFT1にAF-Sヨンニッパつなげば換算1080mm/F2.8で最高5コマ/秒までの連写がAFで可能(通常連写である限りフォーカスモードの制限も一切なし)ということだけでも‘買い’ではないかと思ってます。純正テレコンの2倍ぐらいする値段のテレコン買うと思えばいいわけです。
2011年9月21日 (水)
満を持して、ニコンよりレンズ交換式ミラーレス機Nikon 1発表
ニコンがレンズ交換式ミラーレス機、Nikon 1を正式発表しました。タイトルに‘満を持して’と書いたのには結構深い意味があります。パナのG1に始まったレンズ交換式ミラーレス機の時代の潮流に乗り遅れないようにニコンもミラーレス機に参入と言った見方が多いかと思いますが、ニコンがCoolpixシリーズのようなコンパクト機でレンズ交換式カメラの検討に入ったのは5~6年も前のことになります。その頃はまだマイクロフォーサーズ機すら出ていない時代。当時私がソニーのR1を使っていてR1がレンズ交換式になればなあと思っていた頃にニコンはレンズ交換式コンパクト機の需要についてユーザーアンケートを実施していました。それからずっと構想を暖めて、今回、Nikon 1の登場となったわけです。
Nikon 1が採用したセンサーは1インチサイズのCMOSセンサーでNikon 1の‘1’はこのセンサーサイズから来ているのでしょう。35ミリ換算では2.7倍となるこのセンサーサイズは鳥撮り用の超望遠撮影では大きすぎず、小さすぎずの絶妙のスペックではないかと思われます。
注目のシャッター方式は機械式のフォーカルプレーンシャッターと電子シャッターの二刀流でした(フォーカルプレーンシャッター搭載はV1のみで同時発表のJ1は電子シャッターのみ)。ペンタックスのQがレンズシャッターと電子シャッターの二刀流であったのに対し、ニコンは機械式シャッターについてはフォーカルプレーンシャッター方式を採用しましたが、センサーサイズが噂どおりの1インチサイズだったので、この点は予想したとおりと言う感じです。電子シャッター方式も同時に採用してくれたことはペンタックスのQと同様、シャッターショックを完全に排除できる点で嬉しいですが、センサーがCMOSだということから動体撮影時の歪みが気になるところです。電子シャッターがグローバル露光であればそれをうたい文句にしないはずはないですが、そのような発表はどこにもないので、グローバル露光の電子シャッターということはまずないでしょう。
連写速度は5コマ/秒で、電子シャッターの高速連写モードを使った場合は10コマ/秒、30コマ/秒、60コマ/秒が選択できます。ただ、制限も結構多く、5コマ/秒の場合ですらシャッタースピードや露出モード等に制限があるので、高速連写には過大な期待は禁物です。因みに電子シャッターの10コマ/秒ではAFは中央1点に制限されます。
Nikon 1にはEVFつきのV1とEVF非搭載のJ1の2機種が同時発表されましたが、V1に搭載のEVFは144万ドット。アイセンサー付きで3型92万ドットの液晶ファインダーとは自動で切り替わる仕様です。
Nikon 1の特徴として撮像素子面を使った位相差AFとコントラストAFのハイブリッドAFが挙げられますが、ニコンが世界最速AFとうたうAF性能が果たしてどんなものなのかが注目されます。
遅れて発売されるFマウント対応のマウントアダプタはモーター内臓レンズ(AF-Sレンズ、AF-Iレンズ)でAFにも対応というのはニコンレンズ資産があるニコンユーザーには大変うれしい点です。
MF撮影では狙ったポイントを最大10倍まで無段階で拡大表示させることができるのでMFでのピント合せはしやすいと思われます。
1点、非常に残念なのは電子レリーズケーブルが用意されていない点で、これは非常に痛いです。リモコンのML-L3が使用可能で受光センサーはカメラの前後に用意されているので被写体の方を向いてリモコン操作はできますが、ML-L3は半押しにも連写にも対応していません。リモコン待ち受け時間はデフォルトで5分、最大で15分でこれを超えると勝手にリモコンモードがoffになりますが、これもかなり面倒な仕様です。電子レリーズケーブルは遅れてでも是非対応品を発売してほしいですね。
その他、スローモーション動画機能があったり、インターバルタイマー撮影が標準機能としてついていたり、機能面はいろいろとあり、使い勝手のあるカメラのようです。
製品発表当初はいろいろうだうだと文句を言う人も出てくると思いますが、既存のニコン1眼ユーザーにはマウントアダプターとセットでバカ売れすることは間違いないカメラだと思いますね。
2011年9月20日 (火)
2011年9月14日 (水)
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2011年9月 9日 (金)
カシオHIGH SPEED EXILIM改造直焦点とPENTAX Q直焦点の決定的違い
今日はプチ機材ネタをひとつ。カシオのFC100の改造ネタ記事をこのブログに掲載してからもうかなりの年月が経過しますが、相変わらずこの機材ネタにはアクセスが多数あります。電子シャッターだけで高速連写ができるカシオのHIGH SPEED EXILIMを改造して直焦点で撮影したいと思う方がまだまだ結構いらっしゃるようです。
先日発売されたPENTAX Qは改造しなくてもマウントアダプタ経由で電子シャッターによる超望遠撮影ができるわけですが、カシオのHIGH SPEED EXILIMの直焦点改造では画質に大きくかかわる注意点がひとつあります。
それはなにかというと、ずばり、光軸なんです。FC100やFC150なんかを改造、あるいは分解したことがある人はわかると思いますが、筐体の中に収納されているセンサーユニットは筐体のどこにも固定されていません。中で結構ぐらぐらと動くわけですね。
直焦点改造したときは、普通のカメラレンズ等が取り付けられるようにマウントを増殖するのですが、マウントは筐体の前面パネルに取り付け固定します。筐体の前面パネルと筐体に収納されているセンサーユニットの位置関係は固定ではなく、筐体前面パネルに対して、センサーの光軸の垂直は全く保障されていません。レンズユニットとセンサーユニットは正しく光軸が合うように固定されているわけで、このレンズユニット+センサーユニットが筐体内で一体としてぐらぐら動いたとしてもレンズから入る光はセンサーに対していつも一定の角度でセンサーに届くのだから筐体との位置関係が変わっても全くノープロブレムというのがもともとの設計思想であり、レンズユニットを取り外して筐体前面パネルにマウント増殖というような改造が施されることはメーカーの想定外です。
改造した直焦点機では筐体の前面パネルにマウントを直付けし、もともとあったレンズユニットは全部取り外してしまうので、マウントを介して取り付けたカメラ用レンズとセンサーとの光軸は正確に一致しているはずがないわけです。仮に偶然一致したとしても、ちょっとした拍子に筐体内部でセンサーユニットの位置が少し変われば光軸は簡単にずれることになります。
フィールドスコープを用いたデジスコでの超望遠撮影でも、僅かな光軸の狂いが画質に大きく影響するのは今や常識ですが、このことは改造した直焦点機でも当然そのまま当てはまるわけです。
改造したFC100やFC150で、AFレンズを取り替えたりなどして画質の向上に試行錯誤をしておられる方も結構いらっしゃいますが、レンズ交換による画質や解像感への影響よりも光軸がちょっとしたことで動いてしまうことによる影響の方が遥かに大きいということになります。比較的短い焦点距離での撮影では光軸の狂いはさほど気にならないかもしれませんが、超望遠撮影で撮影済み画像を等倍などに拡大して重箱の隅をつっつくような解像感の検証をすれば、AFレンズ等を交換したことによる解像感の変化などはレンズ交換の度に筐体を開腹しセンサーユニットを引っ張り出して、また収納しなおす、という作業をしたことによる光軸変化による解像感の変化の中に埋没してしまいます。
PENTAX Qはもともとレンズ交換式のカメラとして製造されているものですから筐体前面のマウント面とセンサーとの垂直は当然厳密に設計されています。筐体内部でセンサーユニットの位置が動いてマウント面との位置関係がその都度変わるといったようなことはあり得ません。この点の違いはほぼ同じサイズのセンサーを利用した直焦点撮影であっても画質面で大きな違いとなって現れることは容易に想像できると思います。
因みに、カシオのHIGH SPEED EXILIMを直焦点改造機としてではなく、デジスコでのコリメート撮影用に使う場合でも上に書いたことと全く同じ問題が起こります。デジスコでのコリメート撮影で使う場合には筐体の前面パネルにアダプタを取り付けるための加工をすればそれで足りますが、筐体前面パネルとセンサーユニット+レンズユニットの位置関係については垂直は全く保障の外ですのでアダプターを取り付けても、そのアダプターの光軸とレンズユニットのレンズの光軸とは一致する保障がないことになります。
以上、プチ機材ネタでした。ニコンのミラーレスの仕様早く知りたいな。
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