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デジスコの将来性は?
最近あまり機材のことを話題にはしていませんが、本日は久しぶりに機材のことについて正面から書いてみます。私は決して機材マニアではありません。そのことを最初にお断りしておきます。あくまでも機材は表現のための道具にすぎませんのでどんな機材であれ適材適所に使い分けてゆくべきものというのが一貫した私の考えです。
さて、何故今に至って表題のようなタイトルの記事を書こうとしたのか。私はここ1~2年の間にデジスコに大きな転換期が来ると思っています。地上望遠鏡(フィールドスコープ)を使ったコンパクトデジカメによるコリメート撮影にはいろいろなメリットがありますが、そのメリットの源となるのは一眼デジカメに比べてずっと小さな撮像素子とミラーがないこと、フォーカルプレーンシャッターがないことにより、ミラーショック、シャッターショックから完全に解放されるという2点につきるといっても過言ではありません。
一方で、地上望遠鏡を用いたコリメート撮影では正立像を導くためにプリズムが介在することにより対物レンズ本来の光学性能が少なからずスポイルされるというデメリットがあります。またプリズム以降にも撮像素子までの間に接眼レンズ(アイピース)とコンパクトデジカメにもともと搭載のレンズが介在することになり、光学的には複雑な構造になり、光学性能のロスも大きくなります。
かつて私はコンパクトデジタルカメラに搭載するレンズユニットを除去して撮像素子をむき出しとし、天体望遠鏡や一眼用のレンズに装着して使えるように改造を行いましたが、このいわゆる直焦点改造機は少なくとも光学的な観点ではデジスコよりも遥かに優れていました。また、改造対象となるのがデジスコなどで一般に使われているのと同じ撮像素子の小さなコンパクトデジカメであるため、35ミリ換算倍率でデジスコに全く引けをとらない焦点距離を得られ、しかも合成F値という観点ではデジスコ以上の明るさを得られるというメリットがありました。しかし、直焦点改造可能なコンパクトデジカメというのは種類がごく限定されたものでしかなく、改造という敷居の高さもあって一部の人しか手を出しにくいものでした。
ミラーレス構造のマイクロフォーサーズ機の登場によってミラーショックから解放された直焦点撮影は極身近なものとなりましたが、マイクロフォーサーズでも35ミリ換算倍率は2倍にとどまり、デジスコでの超望遠撮影には焦点距離的には及ばない上に、依然としてフォーカルプレーンシャッターによるシャッターショックからは解放されていないため、ベテランデジスコユーザからは“やっぱりデジスコが一番”との声が依然として根強く残っているのが現状です(私は何が一番などというのはナンセンスで、冒頭に書いたように適材適所で道具を使い分けるのがよいと思っていますが)。
そんな中、今後もっとも動向に注目すべきはコンパクトデジカメのような比較的小さな撮像素子を持ったレンズ交換式ミラーレス機の登場です。既にケンコーやペンタックスがこの分野の新機種を出すとの情報が流れており、ニコンのミラーレス機もマイクロフォーサーズよりも更に小さな撮像素子を採用するとの噂が流れています。ここで最もポイントとなるのがシャッター方式です。コンパクトデジカメは多くの場合、電子シャッターとメカシャッターとの組み合わせでメカシャッターに関してはレンズユニットに組み込まれたレンズシャッターを用いています。レンズ交換式のコンパクトミラーレスとなるとレンズシャッター方式というのはほぼ可能性がなくなります。パナソニックのGH2では事前に期待されたグローバルシャッターの採用は見送られてしまいましたが(GH2にグローバルシャッターが採用されていたらデジスコからの移行組みがかなり出ていたと思います)、コンパクトデジカメクラスの撮像素子を持ったレンズ交換式ミラーレス機となるとフォーカルプレーンシャッターということも考えにくいと思われますので、各社新たな方式でのシャッター構成を提示してくるものと予想されます。シャッターショックからもミラーショックからも完全に解放されたコンパクトデジカメクラスの撮像素子を持ったレンズ交換式のカメラが実際に登場するとデジスコの持つ優位性を全て兼ね備えながら、デジスコの持つデメリット部分は残さない直焦点撮影が可能となります。シャッター方式如何という前提条件つきではありますが、状況によってはコリメート撮影の終焉という大きな流れをつくる可能性があるだけに、私は非常に注目しているところです。
SANYO MZ3直焦点改造機+サンニッパで撮影したオオマシコ。35ミリ換算焦点距離1440mm/F2,8。たった200万画素のカメラであるがプリズムやアイピース、本来搭載されていたレンズユニットの極小レンズを一切介さないためサンニッパの光学性能がそのままストレートに反映される。MZ3は電子シャッターのみでシャッターが切れるのでレンズユニットを除去してもシャッター構成として全く問題なく、シャッターショックももちろん皆無。デジタル処理技術については極めて設計の古いMZ3においてすらこれだけの画質が得られるのであるから、その後著しく進化した小型撮像素子のコンデジを用いた直焦点撮影が身近に実現すればデジスコのコリメート撮影では全く太刀打ちできないのではないかと思われる。
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