« 塒入り・その2 | トップページ | 満月 »

2010年8月25日 (水)

繁殖羽のオシドリ

季節外れですが、オシドリの繁殖羽を。今の季節のオシドリの雄は銀杏羽も落ちて、雌と変わらないような姿の非繁殖羽(=エクリプス)ですが、ここひと月ほどの間に、エクリプスのオシドリが“夏羽”と表現されているのを偶然いくつも目にしました。
一般的に夏羽とは夏の季節の羽という意味ではなく、繁殖羽のことを言います。オシドリを含むカモ類は冬季に越冬地に移動してきてから繁殖羽に換羽してゆきます。このため、夏羽、冬羽という区別のしかたをするならば、カモ類は冬に見る綺麗な繁殖羽が夏羽なのです。日本では冬鳥で11月下旬頃に第一陣が渡って来るミコアイサなんかも渡って来てすぐの頃は白黒のコントラストのはっきりした姿になっていませんが、12月から年明け頃にはいわゆるパンダガモに変化します。その姿がミコアイサ雄の夏羽です。

真冬なのに夏羽とはいかにも違和感のある表現ですが、カモ類は冬場に繁殖羽になって冬のうちに番を形成し、繁殖地に移動して繁殖します。実際に繁殖活動に入る頃(4月~5月頃)は鳥の世界ではもう夏。オシドリは日本では漂鳥ないし留鳥ですが、冬の時期に繁殖羽に換羽し、そのままの姿で繁殖地に移動して繁殖に入り、繁殖を終えてエクリプスへと換羽します。猛暑の7月、8月にはもうエクリプスなので、その姿を夏羽と思いがちですが、カモ類の生態、繁殖サイクルを知ると、エクリプスを夏羽と表現するのが誤りであることが理解いただけると思います。

D2x_2412l

|

« 塒入り・その2 | トップページ | 満月 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 塒入り・その2 | トップページ | 満月 »