オオワシの表現
このオオワシの画像は、以前に一度ブログにアップしたものと同じで、サイズを特大サイズにしたものです(1200×800ピクセルサイズ)。
オオワシを代表とする大型鷲の撮影の難しさは、鳥の大きさをいかにして表現するかだと思います。かつて、琵琶湖にやってくるオオワシを天体望遠鏡を用いたデジスコシステムで換算焦点距離8000mm程度で画面いっぱいに撮影したこともありますが、長い焦点距離を使って200メートル先にいるオオワシを画面いっぱいに撮影したからといって必ずしもオオワシの大きさが写真で表現されているわけではありません。
野鳥のことを詳しく知らない方に、この鳥は翼を広げると2メートルを超えるんだよ、と言葉で説明して驚いてもらっても意味がありません。画面いっぱいに大きく写した飛翔中のケリも画面いっぱいに大きく写した飛翔中のオオワシも、いずれも一般の人にとっては「鳥」でしかなく、その大きさの違いは写真だけからは伝わってきません。
掲載のカットは作品としてみれば必ずしもよいものではありませんが、オオワシの大きさを写真だけから表現するという観点からはよいサンプルになるかと思います。画角に占める鳥の大きさという点では青空を飛翔中のオオワシを翼の先端が画面から少しはみ出すくらいに撮ったカットの方がずっと大きいのですが、写真から受ける印象はこのカットの方がはるかにオオワシの大きさが伝わってきます。1.4倍テレコンは使っているものの一眼システムで普通に撮影しているので、デジスコのような長焦点距離ではありません。この写真のポイントは背景のエリアに写っている木々の大きさがどれくらいかってことが見た人に伝わるかどうかです。周囲の木々を細い枝も太い幹も一緒に広く取り入れているので背景に写っている領域の広さが先ず伝わります。それとの対比があって初めて翼を広げたオオワシの大きさが写真を見た人に伝わるのだと思います。
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