ルリビタキ♂若
地元の山のルリビタキ♂若です。“若”というと通常はその年に生まれた子の幼羽が抜け落ち、翌年に成鳥羽になるまでの間を言いますが、ルリビタキに関しては少し違う考慮が必要です。
このブログで以前にキビタキの♂若(第1回冬羽)のことを書いたことがありますが、キビタキは第1回冬羽では雄と雌の区別がほとんどできません。翌年の春の渡りの時期には雄は完全な成鳥羽にはなりきっていないまでもかなり黄色い部分が多くなり、雌と見間違えるようなことは全くなくなります。秋の渡りの頃にはほぼ成鳥羽に近いものになります。
これに対し、ルリビタキの雄は生まれた翌年でもまだ肩口だけが青くて人によっては♀個体と間違う場合もよくあります。ルリビタキ雄が完全な成鳥羽になるのにはキビタキよりもずっと長い年数を要します。しかし、ルリビタキは完全な成鳥羽になる前から繁殖活動に参加し始めるので通常の“若”と同じ言葉の使い方で完全な成鳥羽になるまでを若と呼ぶことは本当はふさわしくありません。なぜなら見た目は肩口までしか青くなっておらず人によっては雌と間違える個体でも繁殖しているのですから生態的には立派な大人なわけです。
写真の個体が今年生まれた文字通りの“若”なのか姿だけは若で行動は“いっちょまえ”の大人なのかは私程度の知識と経験では判断しかねます。因みにこの子は右足に足輪がついてますね。これを見れば子のこの素性ははっきりするのでしょう。
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