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2005年4月16日 (土)

ヤマドリ撮影記

先月に引き続いて金剛山に行ってきた。
登山口に午前8時前に到着。ロープーウェイの始発までにはまだ1時間あまりある。
金剛山は山頂以外でもロープーウェイ始発駅近くの山頂口付近で様々な野鳥が観測できる。
この日も早く行ったのは山頂口付近で早朝の野鳥を観測するためだ。
付近ではミソサザイが目の前で非常に綺麗な声で囀っていた。オオルリも木のてっぺんで囀っている。

9時のロープーウェイで山上駅に向かう。デジスコを持ったバーダーさんと同乗する。
山上駅に到着する直前で谷間の比較的開けた場所に背中が金色に輝く鳥を発見した。見た瞬間ヤマドリだと思った。
同乗していたバーダーさんも同時に気づいたのか、二人で顔を見合わせる。「ヤマドリ」。二人同時に言った。
客車が山上駅に到着する際にはヤマドリのいた場所は林の影に隠れてしまった。
大急ぎでロープーウェイを降りて見晴らしのいい方へ走っていった。双眼鏡でのぞくがヤマドリのいた付近は林で完全にブラインドになってしまって見えない。
同乗していたバーダーさんが言う。「降りられるかなあ」。
谷間を徒歩で降りようとされているようだ。かなり急な斜面である。樹氷の頃だとここを降りるというのは命を捨てに行くようなものだ。
「降りるんですか?」。
「向こうから何とか降りれるんじゃないかな」。
そんな会話をした。僕は、帰りにもう一度開けた場所に出てくることを期待してその場はヤマドリの撮影をあきらめ、山頂方面へ向かった。

昼ごろ山頂の広場付近で朝お会いしたバーダーさんに再びお会いした。
「ヤマドリどうでしたか?」。
「足場が悪くて結局降りませんでした」。
やはりあきらめられたようだ。

昼食のおにぎりとカップラーメンを食べた後、ブナ林付近でカケスやゴジュウカラ、ヒガラ、コガラ等のカラ類を撮影し、ダイヤモンドトレール(通称ダイトレ)経由でロープーウェイ山上駅に到着する。途中、カタクリの群生を撮影する。

下りのロープーウェイは出たところで、次の便まで30分弱ある。
ヤマドリが発見できないかと肉眼で谷間を仔細に探してみる。
遠くの木の根元にキジのような輪郭をした鳥を発見する。ヤマドリに間違いない。
極めて遠い位置で双眼鏡でもディテールがはっきりしない。
少しずつ移動しているようだ。付近はブッシュがたくさんあり、目を離した隙にブッシュに移動してしまうともう一度見つけるのは不可能に近い。
デジスコは20メートルほど離れたところに置いてある。
取りに行くあいだに見失ってしまうかもしれない。
ヤマドリにいる場所の目印となる近くの木の形を頭のなかに叩き込んだうえでデジスコをとりに走る。
戻ってきたが、ヤマドリは少し移動したようだ。まだ近くにいるはずなので、もといた位置から双眼鏡で探す。いた。ブッシュの方に少しずつ移動している。しばらくしてブッシュに隠れてしまった。
もう見えないのか。ブッシュのあたりから目を放さないでブッシュの動きに注目する。ブッシュの揺れでヤマドリの場所を推測しながら双眼鏡で追う。
徐々に姿が確認できるところまで移動してくれた。
デジスコでも非常に遠い。倍率をテレ端まで上げる。風が強く、足場もコンクリートでないのでピントノブを操作するたびに揺れる。湖北のオオワシのとき以上に撮影が難しい状況だ。
デジカメの5枚連写機能で連写する。連写のほうが途中のカットでレリーズ時の揺れの影響が避けれるためだ。
デジ眼でも撮影してみるがあまりに小さい。
デジスコ側のカメラのビューファインダーで再生画像を確認してみるが、何とか写っているようだ。しかし4200ミリの超望遠で、しかもこれだけ距離が離れていると画質は期待できそうもない。

ヤマドリは自宅から比較的近くの自然公園にも生息している。しかし、キジよりもはるかに警戒心が強く、バーダー暦10数年のベテランの方でも未だ出会っていない方がほとんどである。
貴重なヤマドリを初見初撮りできたことはこの日最大の収穫であった。
添付の写真2枚目はデジ眼の765ミリ相当による撮影である。いかに遠いかがよくわかる。

200504161

200504162

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