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2004年12月20日 (月)

写真

写真は「真」実を「写」すと書く。
しかし、実際の写真は真実をありのまま写し撮る行為とはほど遠いと思う。
広角レンズで撮られた写真は実際に人が見たものよりもずっと遠近感が誇張されている。超望遠レンズで撮った写真は遠くの物が近くに圧縮される。
マクロレンズにより切り取られた写真は日常生活で人が全く意識しない被写体のディテールまでをも再現してしまう。
人が見たものをそのままという観点からすると、写真は人が目で見て感じたものそのものからはほど遠い世界である。
しかし、だからこそ写真には芸術性があるのだと思う。人が日常の目で見て感じたものがそのまま忠実に再現されてしまえば、面白くもなんともないし、ありのままの写真には実物以上の感動を与えることは決してできないと思う。
レンズを通すことによって生まれるありのままとは違った「偽」の部分こそがありのまま以上の感動を呼ぶのだと思う。
このような考えは写真に限らず芸術全般にあてはまるものであり、文芸の世界では中村光夫や三島由紀夫の芸術感とも通ずるものである。
デジタルカメラの普及やデジタル一眼レフの高性能化によって銀塩写真からデジタルに移行する人が増えている。その一方でデジタル一眼に決して移行せず、頑固に銀塩にこだわり続けるカメラマンも決してなくなることはない。
しかし、結局のところデジタルであろうが伝統的な銀塩であろうが「偽」の部分にこそ写真の芸術たる所以があるという本質になんら差異はないと思う。

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